第246章 当然名残惜しい

「修!」

彼を見た瞬間、一条昴の瞳がぱぁっと輝き、勢いよく立ち上がった。

「もう片付いたのか?」

「ああ」

傍らに歩み寄った北畑修の視線が、三角巾で吊られた昴の腕に一瞬だけ留まる。その瞳の奥を微かな痛切さがよぎったが、彼はすぐに橘凛と一条星夜へと向き直った。

「橘凛、一条社長。父の見舞いに来ていただき、感謝します」

言葉を区切り、彼は続ける。

「レストランを予約してあります。今夜は皆で食事でもどうですか。その……ささやかな送別会を兼ねて」

声のトーンは平坦だったが、「送別会」という単語に、室内の空気がわずかに淀む。

一条昴の顔から笑顔が引きつり、どこか不自然な調子で尋ねた。...

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